住宅価格不動産賃金
なぜ若者は家を買えないのか ─ 住宅価格と賃金の34年をデータで見る
バブル崩壊で一度は下落した住宅価格は、アベノミクス以降に再上昇。一方で実質賃金は横ばいのまま。住宅価格指数と賃金・金利の動きを重ねてデータで読み解く。
読了時間 約 5 分
住宅価格指数の34年間
KeizaiMapでは国土交通省「不動産価格指数」をもとに、1990年を100とした住宅価格指数を確認できる。 バブル崩壊後の急落から、アベノミクス期以降の回復まで、 日本の住宅市場の変遷がデータで見えてくる。
1990年(バブル)
100.01990=100
2000年
79.21990=100
2012年(底値圏)
64.21990=100
2024年
68.51990=100
バブル崩壊(1991年)から2012年頃にかけて、住宅価格指数は1990年比で約36%下落した(指数 100→64.2)。 その後、アベノミクスによる低金利・都市再開発・外国人投資家の流入などを背景に、 特に都市部(東京・大阪)を中心に価格が回復傾向に転じた。
住宅価格が上がるのに、賃金は上がらない
問題は、住宅価格の回復と実質賃金の推移が乖離していることだ。
賃金 1990年
100.01990=100
賃金 2024年
99.21990=100
住宅 1990年
100.01990=100
住宅 2024年
68.51990=100
実質賃金はほぼ横ばいのまま、住宅価格だけが(都市部では特に大幅に)上昇している。 「賃金に対する住宅価格」という意味での「買いやすさ(affordability)」は、 バブル期よりむしろ厳しくなっているエリアも多い。
住宅を買いにくくなった3つの構造的要因
①都市集中と地方格差
人口が東京・大阪・名古屋などの大都市圏に集中するほど、需要が集まり都市部の住宅価格を押し上げる。地方では空き家が増える一方、若者が働く都市では手が届かない価格になっている。
②超低金利が価格を押し上げた副作用
アベノミクス以降の超低金利は、月々の返済額を下げた。これが「買える価格」の上限を引き上げ、不動産価格の上昇を招いた。2024年の日銀利上げにより、この構図が変わりつつある。
③投資・投機需要の流入
低金利環境で資産運用先を求める国内機関投資家や、円安を背景に日本不動産を割安と見た外国人投資家の購入が、実需以上に価格を押し上げた側面がある。
2024年以降の利上げと住宅市場
2024年3月、日本銀行はマイナス金利を解除し、事実上の利上げを開始した。 住宅ローン金利は上昇傾向に転じており、今後の住宅市場に影響が出るとみられる。
変動金利型ローン
上昇傾向
2024年以降
実質賃金への影響
要注視
賃上げとの競争
住宅購入の「買いやすさ」が改善するかどうかは、 金利上昇が住宅価格を引き下げる効果と、賃金上昇のどちらが先行するかにかかっている。 KeizaiMapで実質賃金・住宅価格指数の推移を並べて、変化を継続的に観察してほしい。
関連記事
この記事の指標・期間がそのまま表示される設定で KeizaiMap を開きます
📊 この記事の設定で KeizaiMap を開くデータ出典・免責
数値はすべて公開統計に基づきます。投資判断への利用は自己責任でお願いします。
データソース | プライバシーポリシー | お問い合わせ